デジタルデトックスと夕暮れの時間
- KOJI Nishimura
- 3月31日
- 読了時間: 3分
更新日:6月21日
つながりすぎる現代にひとつの静けさを
気がつけば、私たちは一日の大半をデジタル画面と共に過ごしています。スマートフォン、パソコン、SNS、メール、ニュースなど。あらゆる情報が休む間もなく押し寄せ、目も心も休まる暇がないという方も多いのではないでしょうか。

便利な道具であるはずのテクノロジーが、いつのまにか心の余裕を奪ってしまっている。そんな風に感じる瞬間が、私にもたびたびあります。デジタルの恩恵は大きいですが、あまりに多くの“つながり”は、ときに心を擦り減らす原因にもなります。では、私たちはどうやってその“情報が氾濫する海”から、静かに岸に上がることができるのでしょうか。
心と体のバランスを取り戻すための習慣
デジタルデトックスとは
デジタルデトックスとは、意識的にスマートフォンやデジタル機器から距離を置く時間を持つこと。メールをチェックしない、SNSを開かない、通知を切ってみる。そうした小さな実践の中に、私たちの心を軽くするヒントがあります。
この習慣の目的は、情報から切り離されることではなく、“今ここ”の時間に意識を戻すこと。多くの人が気づかないうちに、画面の中で過去や未来ばかりを追いかけ、今この瞬間を感じることを忘れてしまっているのです。
夕暮れの時間にスマートフォンを手放し、ただその空の色の変化に身をゆだねる。そんな時間こそが、デジタルデトックスの本質なのではないかと思います。
自然のリズムに寄り添う
夕暮れの時間は、自然界の「一日の終わり」を知らせる合図です。空の色が刻一刻と変化し、やがて夜の静けさへと移っていくこの時間帯は、人の神経系にとっても“リセット”の作用があるとされています。

視覚的な美しさに加え、夕陽が沈む時間帯は副交感神経が優位になりやすく、呼吸が深くなり、血圧や脈拍も自然と安定していく。つまり、夕陽の時間に身を委ねることで、体の内側もまた、自然のリズムと調和していくのです。
デジタルに奪われた「感性」を取り戻す
見逃してきた日常の美しさ
スマートフォンの画面を見ている間に、私たちはどれだけ多くの「現実」を見逃しているのでしょうか。雲のかたち、鳥の鳴き声、風の匂い、夕陽が海に反射する光のきらめき。それらはすべて、画面の向こうではなく、自分のすぐそばにある“本物の情報”です。
情報量が多すぎることで、私たちの感性は少しずつ鈍くなってしまいます。しかし、夕陽の前では、言葉や情報では説明できない「何か」が、確かに胸に届いてくるのです。だからこそ、私は夕暮れの時間にこそ、デジタルデトックスの真価があると感じます。自然の美しさを“感じる”力は、画面では育てられないと感じています。
五感を使って世界と再接続する
夕陽を見つめる時間には、耳で風の音を聴き、肌で空気の温度を感じ、鼻で海の匂いを嗅ぎ、目で空の移ろいを追い、心でそのすべてを受けとめていく。そんな五感がフルに開かれるような体験が詰まっています。

スマートフォンの通知音では得られない安らぎ、スクロールでは届かない感動が、そこには確かにあります。「何もしていない」ようでいて、「深く世界とつながっている」夕暮れの時間とは、そういう特別なひとときなのだと、私は思います。
今日の夕暮れをひとつの習慣に
一日の終わりにスマートフォンを置き、数分でもいいから夕暮れ時に空を眺める。何かをする必要はありません。ただ、そこにある光のゆらぎを感じるだけで、きっと心は少し軽くなるはずです。

情報に追われる毎日だからこそ、意識的に「離れる時間」を持つことが、私たちの感性と心の健康にとっては不可欠です。そしてその時間を、自然とつながる夕陽のひとときに置き換えることで、私たちは再び、本来の人間らしさを取り戻していけるのではないでしょうか。
どうか、今日の夕陽を「心の余白」として、ゆったりと味わってみてください。