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オレンジ色の効能

更新日:5 日前

夕陽が沈む空、秋に実る柿、冬の陽だまり。

自然のなかでふと目にするオレンジ色(橙色)は、私たちの心に温かさと活力をもたらしてくれます。色彩心理学の観点から「オレンジ色が心身に与える影響」について、そして太陽光を浴びることの効能にも触れながら、日常に取り入れたい“橙色の力”について考えてみたいと思います。



オレンジ色がもたらす心理的効果


温もりと活力の象徴


オレンジ色は、赤と黄色の中間に位置する色。赤の情熱と黄色の明るさを合わせ持ち、エネルギーを感じさせながらも、どこか安心感を与えてくれる不思議な色です。


色彩心理学では、オレンジ色は「社交性」「陽気さ」「親しみやすさ」を象徴するとされています。この色を見るだけで、人は無意識のうちにリラックスし、心が開かれやすくなる、そんな研究結果も報告されています。


孤独感を和らげ、前向きな気持ちを育む


また、オレンジ色は「孤独感を緩和し、心を明るい方向へ導く」効果もあるといわれています。寒い季節や落ち込みがちな時期、意識的にオレンジ色を身の回りに取り入れることで、気持ちが温まり、前向きなエネルギーを取り戻す助けになるかもしれません。


夕陽のオレンジ色が、一日の疲れをそっと癒してくれるのも、こうした色彩の力が関係しているのです。



身体にも働きかけるオレンジ色の力


食欲を刺激し、代謝を促進する


オレンジ色は、視覚的に「食欲を高める色」としても知られています。明るく暖かな印象が、脳に「これからエネルギーを取り入れよう」というスイッチを入れ、自然と食欲を促してくれるのです。


また、オレンジ色を多く含む光を浴びることで、自律神経が刺激され、代謝が活性化するという説もあります。冬場など、身体の活動が鈍りがちな季節には、オレンジ色の食べ物や空間を意識的に取り入れることで、体調管理にも一役買ってくれるでしょう。


冷えた心と体を温める色


寒さで心身が縮こまりがちなとき、オレンジ色は「温もりのイメージ」をもたらします。

見た目の色が与えるイメージ効果は侮れません。


暖かい色調の中で過ごすだけで、体感温度が実際よりも2〜3度高く感じられるという実験結果もあり、オレンジ色のインテリアや衣服を上手に使うことで、心身ともに「ぬくもり感」を育むことができるのです。



太陽光を浴びることの効能


体内リズムを整える太陽の力


太陽光には、私たちの心身を健やかに保つためのさまざまな効果があります。朝の光を浴びることで、体内時計(サーカディアンリズム)がリセットされ、睡眠リズムやホルモンバランスが整えられます。

オレンジ色の夕陽もまた、穏やかに心と身体を夜へと導くスイッチとなっているのです。


セロトニンとビタミンDの生成


太陽光を浴びると、脳内で「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌が促進されることが知られています。セロトニンは、心の安定や意欲の向上に欠かせない神経伝達物質。これが不足すると、うつ病や不眠のリスクが高まるとされています。


さらに、太陽光を浴びることで体内でビタミンDが生成され、骨の健康や免疫力の維持にもつながります。つまり、自然の光、特に夕陽のオレンジ色を意識的に浴びることは、心身のバランスを整えるためにとても有効な習慣だといえるのです。



色は心のビタミン


色彩は、心に直接語りかける無言の言葉である。」 ワシリー・カンディンスキー(Wassily Kandinsky/ロシア/画家・理論家/1866–1944)


カンディンスキーのこの言葉のとおり、色は言葉を介さずに、私たちの心に直接働きかけてきます。夕陽のオレンジ色は、言葉にできない感情をそっと慰めたり、疲れた心に小さな火を灯したりしてくれる存在なのかもしれません。



オレンジ色を味方にする


忙しさに追われる毎日のなかで、ふと目にするオレンジ色の夕空。その温かな光に包まれるとき、人は自然に深呼吸し、静かに心を整えることができます。


オレンジ色は、活力をくれる色であり、癒しをくれる色でもあります。これからの日々に、少し意識してオレンジ色を取り入れてみませんか?


太陽のように、あたたかく、やさしく、力強く。そんなふうに、自分自身を育てていけたら素敵だと思います。




参考文献・参考資料



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